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ようこそ 庄野研究室へ

庄野研究室は,視覚の情報処理を基盤とした画像処理,機械学習(神経回路モデル,深層学習)といった分野を中心に研究を行っています.

神経回路モデルや機械学習をベースに,計測画像などに対する情報処理技術を日夜開発しています.興味がある方はご連絡ください.

視覚の仕組みと画像処理

人間や動物の脳がどのような情報処理を おこなっているかは未だ人類にとって未知の領域となっています.これは情報処理の機構が異なっていることに起因していると考えられます.脳は比較的単純な部品であるニューロンと呼ばれる部品からなりたっており,ひとつひとつの ニューロンは高い能力をもっているわけでも精度の高い動作をしているわけもありません.それどころか生体の内部のさまざまな雑音によって非常に不確かな情報処理をせざるをえない状態にあります.

ところが,このニューロンが莫大な個数(人間で約140億個)集まると人間のように物を視て,言葉を操り,思考を巡らすといった,非常に高度な情報処理が出来るようになってしまいます.これはとっても不思議なことです.

我々の立場は,計算機モデルを造ることにありますが,脳の仕組みを知ることは,その第一歩となります.

視覚の仕組みと深層学習

現代の深層学習の立役者である深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は,脳の階層構造を参考に構築されています.基本となる演算は畳み込みと呼ばれる演算で,生物の視覚が最も太古に獲得した情報表現として解釈することができます.CNNは脳の初期視覚野と呼ばれる領野の生理学的なモデルを,工学的な畳み込み演算の観点から書き換えて造った構造を持っています.

そう考えると,「CNNや他の深層学習は,どのくらい脳なのか?」という疑問が湧いてきます.深層学習機械を単なるブラックボックスとして捉えて,その機能を使うだけでなく,脳の視覚表現と結びつけることで,深層学習を知り,あらたなモデル構築を行うための源泉としていきます.

匠の眼を知る

訓練を受けた技術者や医者(いわゆる匠)の人々は,一般の人よりも,問題に特化した模様のような画像パターン(テクスチャと呼びます)を識別する能力が高くなります.提示した図は磁性薄膜と呼ばれ,磁石の顕微鏡写真のようなものです.このようなテクスチャから観測対象の性質を推測することは匠が常に行っている作業です.しかしながら,なぜそのような推測に至ったかという理由づけに関しては説明できないことも多々あります.このような「匠の眼」を知ることは非常に興味深いことです.

このテーマでは,我々も匠も視覚情報処理を行っているというところに着目し,視覚心理学で用いられる方法を手がかりに,テクスチャの持つ特性を解明することを目的としています.

匠の眼を造る

「匠の眼」を作り出すことにはどのような意味があるでしょうか?匠のような人材は常に不足しており,科学や医療といった先端分野では匠をサポートしたり,人々をトレーニングするための手段が常に模索されています.このような現実を鑑みると,材料科学などの分野において,サポートするための機械学習アプリケーションを開発することは,とても重要です.

先端分野では識別などの結果に対する説明能力が求められたりするため,深層学習機械が画像処理としてお手軽に使える分野は,まだごく一部です.機械学習のアプリケーションを匠の分野に合わせて作り込んでいくことは,継続して開発すべき案件となっています.

なお,多数のお問い合わせがある研究生希望の方ですが,現在,研究室のリソースが足りておりませんので,研究生の受け入れ困難な状況です.研究室に参加していただくには,入学試験を受けていただくのが一番良いと思います.