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情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」のご案内

 

  1. 情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」発行の目的

    数理モデル化と問題解決研究会では,平成10年度より独自の編集による論文誌を発行することになりました.この情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」は,既存の情報処理学会論文誌の別冊として刊行されます.これは,情報処理学会で現在進められているさまざまな改革の一つとして行われるものです.既存の論文誌とは別に,研究会を主体として編集される論文誌を通じて多様な価値を創造し,情報処理の新たな発展を図ろうとするものです.

    現在の研究会の資料(研究報告)には,研究としてレベルの高いもの,問題提起として価値の高いもの,等々,貴重な資料的価値を有するものが多数あります.しかし,これらは必ずしも論文誌に投稿され掲載されてきた訳ではありません.

    企業等の生産・開発の現場では,「問題が定式化されれば90パーセントは解けたようなもの」と言われております.当研究会は,この点に注目して,問題発見・発掘に重点をおいた活動を続けてきました.さらに,最近3年間の当研究会での発表の傾向は,モデル化の応用に関するものが急増していることがあげられます.既存の論文誌はそのような発表をする場として必ずしも適しているとは言えません.

    上記の問題点の最大の原因は,本学会に論文誌が1種類しかないためではないでしょうか.これまでの論文誌に掲載されてきた論文は,いずれも完成度が高く,立派なものですが,当研究会は,既存の論文誌を補うものとして,バランスは悪くてもある面で著しく光るものがあれば論文として積極的に取り上げる新たな論文誌の存在価値を主張し,その主張が認められました.

    なお,当研究会では,従来型の印刷物による研究報告も当面残します.したがって,研究報告と論文誌の両方を発行することになります.しかし,研究会の運営を改善するとともに論文誌の経費を極力押さえることにより,登録費の値上げはしないで済む見通しとなりました.ただし,将来の問題として,ペーパーレス化,電子・オンライン発行の可能性を探っていくことの重要性は,当研究会としても認識しております.

     

  2. 論文誌発行のあらまし

    情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」は原則として 9 月と 3 月に発行し,別に,シンポジウムが開催された場合,そこで発表された論文をシンポジウム後に迅速に発行します.したがって,年3回発行することになります.

    論文は,オリジナル論文,事例研究,サーベイ論文,招待論文の4種類とします.一般投稿を受け付けるのはオリジナル論文,事例研究,サーベイ論文です.研究会登録者でない人,本学会会員でない人の投稿も受け付けます.

    情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」にオリジナル論文,事例研究,サーベイ論文を投稿するには,本研究会にて通常の研究発表を行っていただく必要があります.本年((注)1998年)5月の研究会での発表から適用されます.どちらの区分とするかは,基本的には著者が決めることですが,オリジナル論文として投稿された論文が,査読の結果,著者の同意の上で事例研究の区分になることもあります.

    論文の言語は日本語または英語とします.いずれの言語の場合も,要旨は日英両方必要です.論文の長さには,特に制限は設けません.

    投稿論文が掲載された場合は,掲載料(必要に応じて別刷代)を著者からいただきます.

     

  3. 査読の基準

    既存の論文誌とは異なる基準を設けたいと考えております.

     

    1. 新しい数理モデル化の手法の提案の場合は,そのアイデアが際だって斬新かつ独創的な場合には,その有効性や従来のモデルとの比較が十分に論じられていなくとも,積極的に評価します.ただし,従来のモデルのパラメータ・チョイスを論じただけの場合には,比較実験等を含む何らかの検証が必要です.

       

    2. 従来の数理モデルの改良の場合は,基本的に何らかの検証が必要です.ただし,その改良の結果,新しい応用分野への道が開けた場合には,モデル改良の有効性として積極的に評価します.

       

    3. 数理モデルの応用事例の場合,モデル化自体に新規性はなくとも,応用したこと自体に意義がある場合は,積極的に評価します.

       

    4. 応用事例の有効性や妥当性は,応用分野ごとに異なるものとします.例えば,都市火災のモデルでは実測・実証は不可能ですので,一律な論じ方はしないことにします.

       

    5. オリジナル論文として投稿された論文で,その結果にあまり意義が認められない場合でも,読者の参考になると判断される場合は,事例研究として採録にします.

       

    6. 数理モデルの応用分野は広範囲であり,サーベイは読者にとって有益です.したがって,サーベイ論文も積極的に募集します.サーベイ論文の査読基準は,内容の当否・適切さとともに,読者に有益であるか否かに重点を置くことにします.

       

  4. 投稿方法

    情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」投稿に関する具体的な手順は基本的には以下の通りです.シンポジウムでの発表に基づく論文誌の場合も,これに準じたものになります(投稿期限等はその都度指定します).なお,論文が受理されてから掲載が決定されるまでの期間は,従来の論文誌より短縮されるはずです.

     

    1. 研究会開催日より 11週〜12週間(各回のCFPを御覧下さい)前までに,研究会申し込みをすると同時に,論文誌投稿の意志表明を行って下さい.なお,申込先は mps-subscription (at) ice.uec.ac.jp です.また,本研究会の対象分野に関しては,下記<5.取り上げる分野>を参照して下さい.

       

    2. 研究会開催日より3~4週間ほど前(締め切りは情報処理学会事務局から連絡あり)までに, 研究会予稿(ページ制限なしですが 6 ページ推奨)を情報処理学会事務局の指示に従って提出して下さい.それと同時に,ページ数制限なしの論文誌投稿論文原稿を CFP に記載の締め切り期日(だいたい開催日の4週間ほど前)までに pdf 形式で mps-subscription (at) ice.uec.ac.jp および担当編集委員にCCして電子メールで送って下さい.担当編集委員が不明の場合は,担当編集委員への CC は不要です. 

       

    3. 研究会当日,講演の後,査読者もしくは論文誌エディタとの詳細な質疑応答を行った後,当日のうちに採録/不採録の判定を行います.査読者の氏名はお知らせできません.

       

    4. 採録決定後は,論文誌エディタの指定する締切日までに,カメラレディ原稿を用意して下さい.採録に際して修正を求められた場合は,その修正を経たカメラレディ原稿を作成してください.書式に関しては,別途指示を行います.

       

    5. 投稿論文のページ数の制限はありませんが,刷り上がりページ数に応じた掲載料と,必要に応じて別刷り代金をお支払いただきます.料金の詳細に関しては別途ご案内さしあげます.

       

  5. 取り上げる分野

    本研究会は平成 7 年度より,理工学上の問題に関するモデル化と解決アルゴリズム両面に関わる研究を扱う研究会として発足しました.発足直後は数理モデルや解決アルゴリズムそのものに関する研究発表が多かったのですが,回を重ねるごとに,それらの応用に関する研究発表が増えてきました.
    平成19年 4 月よりシステム開発に関する分野の論文の取り扱いを開始しました. 以下に過去6年間の研究発表内容を分野ごとに示します.

     

    平成7年度平成8年度平成9年度平成10年度平成11年度平成12年度
    <数理モデル化全般> 14 11 10 10 5(**) 10
    新しいモデルの提案 4 3 7 6 2 4
    モデルの改良 9 5 1 4 3 6
    その他 1 3 2 - 0 0
    <数理モデル応用> 19 21 31 38 44(@) 61
    回路 / VLSI 5 2 2 0 1 1
    スケジューリング 3 1 2 2 1 2
    流通・トラフィック 3 4 7 4 1 3
    通信・制御 0 0 0 0 2 2
    並列分散処理 6 3 2 5 7 7
    工学・物理解析 2 2 0 2 1 2
    ゲノム 0 3 1 9 5 3
    ニューラルネット・人工生命等 0 2 5 10 10 14
    ゲーム工学・理論 0 0 6 0(*) 0 1
    ソフトウェア工学 0 0 0 5 2 3
    プログラム理論 0 0 0 0 8 2
    経営工学 0 0 0 0 2 1
    画像・パターン認識 0 0 0 0 3 6
    マルチメディア - - - - - 9
    その他 0 4 6 1 0 2(@@)
    <その他> 1 4 1 2 0 0


    (*) シンポジウムで9件
    (**) シンポジウムで5件(ポスター含む)
    (@) シンポジウムで21件(ポスター含む)
    (@@) シンポジウムで21件(ポスター含む)


    上記表より分かりますように,平成7年度は数理モデル化そのものに関する発表件数と,数理モデル化応用に関する発表件数にさほど差異はありませんでしたが,平成8年度は2倍,9年度は3倍,10年度は4倍, 11年度は9倍,12年度は6倍になっています.数理モデル化全般に関する発表件数は,平成8年度,9年度,10年度と一定しており, 11年度には半分に落ち込んだものの,12年度には再び10件になりました.これに対して数理モデル化応用は,件数自体の増大もさることながら,対象分野の広がりに目覚しいものがあります.対象分野が拡大した一つの理由には, 8年度第10回研究会での『人工生命特集』と 9年度『人工生命』シンポジウム, 9年度第18回研究会での『ゲームとモデル化特集』などにより,本研究会が新しい研究分野を積極的に取り込んでいるところにあります.また,11年度『問題発見とモデル化』シンポジウムでは,数理モデル化応用に関する発表が20件以上ありました.さらに,12年度には『新しい計算パラダイム』として,最近注目を浴びている量子ならびにDNA計算に関する発表が20件以上ありました.

    このように数理モデル化応用に関する発表が発表数・分野ともに増えた理由は,平成10年度より本研究会が発行している情報処理学会論文誌:『数理モデル化と応用』の影響かと思われます.ただ,平成11年度には,研究会発表と論文投稿という運営形態の歪みも表面化してきました.これは上記データには換算していませんが,平成10年度までは一度も発生しなかった研究会発表のキャンセルが,平成11年度には5回 (主著者が電通大1回,茨城大3回,広島大1回)も発生したのです.この問題に関して,改善策を主査・幹事の間で検討した結果,平成12年度にはキャンセルは一度も発生しませんでした.

    また,研究会ごとの平均発表数も,平成7年度では5.6件だったのが, 8年度では6.0件,9年度は7.0件(以上年6回開催),10年度では10.0件, 11年度では10.8件,12年度では14.2件(以上年5回開催)に急増しております.

    このような状況を踏まえて,本研究会の対象とする分野は,数理モデル化全般と同応用に大別され,後者に関しては

     

    • 回路・VLSI
    • スケジューリング
    • 流通・トラフィック
    • 通信・制御
    • 並列・分散処理
    • 工学・物理解析
    • ゲノム
    • ニューラルネット・GA・人工生命
    • ソフトウェア工学
    • ゲーム工学
    • プログラム理論
    • 経営工学
    • 環境工学
    • 画像・パターン認識
    • マルチメディア

    に対する数理モデル応用という小分野に分けることができます.これら各小分野は,情報処理学会の他の研究会の対象とする分野を,数理モデル化という切口から見たものと考えることができます.各分野における数理モデル応用研究は,分野の違いこそあれ,基本的な問題解決の手順には驚くほど共通性があり,このために毎回本研究会においては,まったく分野の違う研究者の間で,数理モデル化という側面からの議論が実に活発に行われ,新しいアイデアを創造する場となりつつあります.また,これらの小分野に含まれていない分野の数理モデル応用に関する研究発表も,勿論広く募集しております.また,これらの数理モデル化に関わる基礎研究・応用研究の各分野は,そのまま本論文誌の対象とする研究分野に相当します.

    情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」に関するお問い合わせ先は,以下のとおりです.

 

論文採録決定後の手続き等については、情報処理学会事務局 研究部門 論文誌担当https://www.ipsj.or.jp/jimukyoku2012.html までお問い合わせください。

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